おいーっす、皆の衆。突然だが、「バーチャル蠱毒」って知ってるか?
このタイトル読んで見に来てくれた人は分かってんだろうが、一応軽く説明すると、今「バーチャルタレントオーディション極」っつー長ったらしい名前のオーディションがSHOWROOMで開催されててな。その内容が「同じ立ち絵の候補者が12~3人一斉にプレ活動を始めて、その果てにたった一人だけがそのキャラとしてバーチャル受肉を果たして他は全員死ぬ」という、文字面だけ見ると凄まじく地獄みが深い企画なんだわ。
初めてこの企画を知った時は心底ゾッとしたし、「これ、どこのディストピアだよ」って思ったけど、色々あってこのイベントに主体的に関わってくようになるにつれて、別に巷で言われる程地獄って訳でもねーなって。今でも便宜上一番広く浸透しているであろう「バーチャル蠱毒」っつー呼称を使ってはいるけど、 蟲毒なんて呼ぶほど殺伐としたイベントでもないんだよな、実際。後で詳しく語るが。
でもそんな中、一際異彩を放つ配信をやる奴がいてな。
それが結目ユイNo.2、通称「黒しらす」だった訳だ。
そもそも初めて私がこのイベントを知ったのは、FFのこのツイートが切っ掛けだった。
https://twitter.com/RINRICHAN_R/status/1065187509133430786
第一印象は「は? 何これ」だった。同じキャラが12隊ズラーッと並んでいて非常にシュールだ。気になって関係者らしきアカウントの発言を逐一巡回してゆく中で、漸くイベントの全体像が務めてきた。
そんな当時の私のツイートがこちら。
これ、さっき知ったのですけど……バーチャル蠱毒、とか呼ばれてるらしいですわね。正直知りたくありませんでしたわ。
— サユリ (@slaughtdoll) 2018年11月22日
惨過ぎる……
私には誰かを選ぶ勇気はありませんわね。正直企画ごと忘れ去ってしまいたいのですけど、知ってしまったからにはもう結末を見届けざるを得ませんわ……。
— サユリ (@slaughtdoll) 2018年11月22日
然し、showroom側はどんな目的でこのオーディションを開催したのでしょうね。自分の手の内で行われるデスゲームはきっと楽しいのでしょうね……
……まぁ、この地点では誰にも肩入れする気は無かったんだよな。だって明らかな地雷そうな企画だし、気に入った子がやがて消されるとか鬱以外の何者でもねーじゃん。でも面白そうだから観測しよーっと。
当時の私は、無邪気にそんな事を考えていた。
九条林檎No.5、通称林5様の存在は既に知っていた。運営が広報に関して無頓着だった分、あの人がやたらと観客層の取り込みに必死だったみたいだし。林5様の尽力とカリスマが無ければ、この企画はここまで注目を集める事は無かった筈だ。だから、取り敢えず彼女を追っとけばいいやって。他の候補者、林5様ほどぶっ飛んだ人は居なさそうだったしね。配信9時からやるらしいから、その前に星だけ集めとこーっと!
と思って巡回したルームの一つが、我らが黒しらすのものだったのである。
あれは確か、22日の午後4時過ぎだった。ルームに入った私の耳に真っ先に飛び込んで来たのが、あの気だるげな「クソだわ、運営」というセリフだったのだ。星稼ぎ用のツイートを送信しようとしていた私の指が思わず止まる。……は? こいつ、今何っつった?
無料の星が手に入った後も、「こいつの正体を見極めてやろう」と私はルームに居座り続けた。しらすの配信はひたすら気だるげだった。何度このオーディションや運営の事をクソクソ貶していたか分からない。どうやらそんなテンションで愚痴っぽく言葉を連ねるのが彼女の配信スタイルらしい。ウッソだろお前、これオーディションだろ?! もっと視聴者に気に入られようとモーションかましていくもんじゃねーの?!
結局、彼女の配信は確か8時くらいまで続いた。それが終わる頃には、私はすっかり彼女の信者と化していたのである。いやだって、あのひたすら飾らず気の向くままにモーションしてくのがマジで面白くてな。それに言う事相当ネガティブだしめっちゃシニカルで喧嘩腰だし、あと何しろあの声と喋り方……。「は?」の声がマジで堪んなかったです。本当にありがとうございました。
やたらと「ここ闇が深過ぎだろ」みたいな事言ったり運営過剰に気にしたりすんのはちょっとウザかったけど、それ以上にあの空気感がめっちゃ居心地良くてな……。
結局、結目ユイNo.2……視聴者から人権を剥奪するタイプのシラスさんにかなり情が移ってしまいましたわ。配信見たのはマジでたまたまなのですけれど、オーディション段階であんなぶっ飛んだムーブをとる子がいるとは夢にも思いませんでしたわね……
— サユリ (@slaughtdoll) 2018年11月22日
こうして、私のバーチャルタレントオーディション極は始まったのである。しらすの配信の一部は黒しらす組の一員である四季さんがYouTubeにアップしているので、是非見てみて欲しい。彼女のぶっ飛び具合が分かって頂けると思う。
ちなみに、これがその夜「ブラックリスト入り」したしらすの称号である。
色々と説明が必要そうなので言っておくと、ランサーはしらすの「もうオーディションやめて自害しようぜ」「でも自害って言葉使うのはヤバいか」「ならランサーでいいや」という一連のセリフから、しらすというあだ名はしらすことユイNo2が幼少期しらすばかり食べて育ったという逸話に由来する。ところで、「リスナーから人権を奪うしらす」はよく出来たあだ名だと私は思う。あの配信に居たら徐々に人間性を失ってゆく気がしたし。実際格段に口悪くなったし。
SHOWROOMを使った事がある人は分かると思うが、無料の星を集めるのはとても怠い。他の配信を巡回してリンクをツイートする事で集めてけるんだけどさ、最高効率で稼ごうと思ったらめっちゃ面倒なんだよなー。そしていちいち星投げんのもめんどい。もう全てがめんどい。元々私って誰かを必死に応援するようなタイプでもねーしさぁ、あれはひたすら苦行だったよ。でもやらなきゃやんねーで後悔しそうだったし、どうせいずれは終わるイベント。今は精一杯やり遂げたるわーとせっせと頑張った。私本当よく頑張った(自画自賛)。
だが、しらすのポイントは然程上がらなかった。理由はまぁ、配信が余りにニッチ過ぎるからだと思うけど。冗談めかして「選別」とか言ったりしてたけど、実際かなりやさぐれた感じの人間じゃないとあの場に居座り続けられないだろうなーとは思った。そのやさぐれ具合は日が経つにつれ進んでゆき、私の口調も相当……うーん、やり過ぎたかもしんない。どことも違う雰囲気を醸し出そうとは思ってたけど、行き過ぎた感は否めなかった。重ね重ね申し訳ない。
スタートダッシュイベント時、しらすも5万ptという目標に対して相当不平を言っていた。「いやこれ無理だろ、ライン厳し過ぎない?」って。しらすの芸風上、他の配信者のように「重課金兵」がつく可能性は低かった。そもそもファン層が普通のVtuberとは大分違った気もするし。それでも、黒しらす組幹部ことさいれんとさんによるタワーの連投を受けて、しらすは5位でスタートダッシュイベントを終えた。正直びっくりした。
そしてその頃、林5様やしらす以外の間でも運営disが散見されるようになる。
その代表格が、ユイーンこと結目ユイNo12だった。
ユイーンの配信にはちょくちょく行ってたんだけど、しれーっと話聞いてたらしらすの話題が出たから思わず反応したのが切っ掛けだったな。ユイーンは「鬱っぽい展開が好き!」とか「可愛い子が泣いてるのが見たい!」なんてしれっと抜かしやがるようなナチュラルサイコパスで、私も色々共感する部分があってなーそんな彼女が結構面白い事を書いてたからここに載せとこう。
運営やオーディションの運行について言いたいことは色々あるけど、ここに書くのも無粋だから自重しておこう。ただ予選初日にPixiv公式が配信見に来た時「おい、聞いてるか、Pixiv!」っつってdisり倒したのは本当笑ったなぁ、媚売るフリして煽りよるしさ。予選前日には引退していたクロミ02が配信訪れて薔薇3本投げて去る、みたいな主人公覚醒イベントも発生し、「バーチャルはフィクションじゃない」という名言も残した……らしい。私その瞬間見なかったから知らんけど。詳しく知りたければこの情報は幾らでも出てくると思う、アーカイブも上がってるし。
夕方しらすと運営に媚びたくねー云々とか話してたから「もしまたPixiv公式が来てもそのスタイルを貫けよー」とかリプ送っといたらさっきマジで来て草生えたし、それに気付いた途端「おい聞いてるか、Pixiv!」っつって言いたい事言った挙句、媚売るふりしてコケにし始めたから危うく笑い死にかけた……
— サユリ (@slaughtdoll) 2018年11月26日
ちなみに、最初の頃しらすの配信に来て「面白いのでまた来ました!」というコメントを残したPixiv公式は、その後二度と戻ってくる事は無かった。その頃はまだPixivが審査員だって伝えられてなかったんだけどさ。二回くらい「運営が来るまで終われま10」配信やったりしてたけど、うーん、残念。
そんな林5様やユイーンと比べると、しらすの動向は淡々としたものだった。配信は基本愚痴をグチグチ言うだけのスタイルで企画もクソもねーし、終いには言う愚痴すら無くなって駄菓子を食ったりコンパス(スマホのゲーム)をただやるだけの配信になっていた。ちなみに、私はいかに面白いコメントを書けるかに必死だった(笑)。そうやってコメ打ったりしてるうちに時間はあっという間に過ぎてって、「んじゃ、そろそろ切るわー」っつってブチッと配信が切られるのが常。
然しまぁ、たまに飼い犬に対してものっそい猫撫で声で話しかけるのは笑ったわ……ギャップっつーより最早豹変といったレベルである。人格を切り替える術でも持ってんのか?
配信時間も気まぐれだし「こいつ勝つ気あんのか?!」と思ってたけど、配信では悔し涙流してたし本気だったんだなーって。あれ見てかなり申し訳なくなった。転生も何も出来なくて文字通り「死ぬ」なら私ももっとハッパかけたし本気出したけど、どーせ転生自由だし実際あいつもう転生してるし、配信特典も取り敢えず無課金でpt稼ぐだけにしといたんだよな。それでも5位以内に押し上げられるなら押し上げたかったんだけど、正直あそこまで差が開くとは思わなかった……。私の見通しが甘かったか。ユイ7にタワーが20本とクマが何十体か投げられた地点で、私は全てを諦めた。
私はしらすを"Vの者"として見てねーし、つーか結目ユイの一人という認識すらあんまりねーし、何つーか、まぁ「しらす」であってそれ以外の何者でもねーっつーか、別にガワが何であろうと正直どうでもいい。つーか、あの配信スタイルなら別にバーチャルじゃなくて良くね? とすら思う。まぁ今は体を制作中っぽいし、好きなようにやって欲しい。私はただ、着いてゆくだけだ。
閑話休題。
このオーディションについてはまー色んな事が言われてるけど、私はこのオーディションが「地獄」だとは思ってねぇ。構造自体はAKB総選挙みたいなやつと特段変わりはねーしな。あとたとえオーディションで落ちたとしても、獲得したファンを引き連れたまま転生出来るし。立ち絵があればLive2Dで動かすのもそこまでハードル高くはないと思うし、そこまでせずともカスタムキャストみてーな便利ツールもある。やり方はまぁ、色々あんだろ。
オーディションに落ちて消される事を「闇」と形容しても仕方ねーじゃん、だってオーディションってそういうもんだろ? たとえ落ちた所で転生に関する制限も何にもねーし、寧ろアカウントで転生先を宣伝する事すら可能なんだから、今回の運営は優しい方だと思うぞ? みんなでデビューとか言う輩はいい加減やめて欲しい。いいか? これは真剣勝負なんだよ!
バーチャル蠱毒について無知な人間がパッと見の印象だけで判断して「うわー闇深いわー」とか言ってる事に思う事がない訳じゃねーけど、私も最初はそんな感じだったし、そんな態度を批判出来る立場にねーからさ。何回でも言うけど、私だってこのオーディションは傍観者に徹するつもりだったんだよ。でも気付けばしらす組の一員になっててこのオーディションにどっぷり浸かってて、このイベントを一緒に盛り上げる側に立っていた。今ではこうしてこのオーディションに関われて良かったと思ってるし、しらすには本当感謝してるんだ。
ユイーンも言ってたけど、このオーディション、楽しまなくてどうするんだと。デスゲームだの何だの言われてるけど、みんなはそれを承知の上でこのオーディションに飛び込んで来た訳だろう? 自分の死の可能性を承知して、このデスゲームへと身を投げ出した訳だろう? だったら楽しめよ。日和ってどーすんだよ。もっと戦え。みんなで踊り狂え。
だから、私も難しい事を考えずに、運営の掌の上で踊り狂う事を選んだ。実際楽しかったよ、このオーディション。しらすが脱落した今、猛烈な虚無感を感じてしまうくらいには。こんな癖のあり過ぎるオーディションだったからか知んねーけど、私が追っていた結目ユイ達には色々とキャラの強い子が集まってたし。酔いどれのNo.10。人心掌握能力も含めてサイコパスなNo.12。完全にネタキャラと化したNo.7。そして、黒しらす組教祖かつ組長の、我らがNo.2。みんなみんな好きだった。このイベントが終わってしまうのが本当に辛かった。
オーディションの企画ごと無に帰して「「「私たちが、結目ユイだーっ!!」」」とか言いながら12人全員で夕日に向かって走ってゆくのが理想だったが(笑)、ここまで来たらもう波乱はねーだろ。
— サユリ (@slaughtdoll) 2018年11月29日
本戦、予選のまんま焼き直しって感じだよな……もししらすが落ちた場合、もう追う価値を見出せねーよ。
本当に、色んな事があった。でも既に予選は終わって、今は残った候補者たちが本戦を繰り広げているのだろう。私はもう追ってないけど。
私にとって、このオーディションはしらすありきだった。しらす亡き今、このオーディショ追う意味はもう見出せない。予選と同じような戦いをしらす抜きで繰り広げてている様をわざわざ観測しようとは思えない。私にとってのバーチャルタレントオーディション極は、既に終わったのだ。
このオーディションの構造自体を批判する気はないけど、それでも、主にSHOWROOMを会場として設定したために、幾つかの弊害が発生してしまったのは確かだ。
先ず、配信者にお金がびた一文も入らないこと。YouTubeのスーパーチャットは7割が配信者の元に入る仕組みになっているらしいが、SHOWROOMは何と貢がれた全てのptが運営のものとして徴収されてしまう。いやこれはクソだわ。マジでクソだわ。そら叩かれても仕方ねーわクソ虫が。でもオーディションだと金出さねーと推しが落ちるからみんな必死になるんだよな。金出しちゃうんだよな。あームカつく、頼むから1回ケリンに爆破されてくれ。
次に、配信時間によってptの獲得額が大きく左右されること。単純に配信すればする程有利なスタイルになるし、そもそも配信する余裕のねー候補者には圧倒的に不利になる。たぶん配信する時間帯や長さを運営が指定すれば良かったと思うんだけどな……。配信直前まで配信出来る人間が圧倒的に有利だって話は黄色の雨合羽の気象予報士のうち誰かが言ってたのを見た気がするし、まぁその通りなんだよな。一応「特別賞」によって救済措置が入りはしたみたいだけど、そんな事やるくらいなら最初からその格差を是正出来るようにしといてくれと言いたい。
そもそも審査員特別賞って「二人の審査員が気に入った事をそれぞれ1人ずつ選んで本戦に上がらせる、但し気に入った子が居なければ選ぶ権利を棄却できる」的なものかと思ってたけど、最初から救済措置としての枠を設けていただけだったのかねぇ。
加えて、「ファン一人の資金力が結果にダイレクトに作用する」点を批判してた人もいたけど、私はそれ自体は別に構わないと思うんだよな。ただそもそも観客の分母が少ないから一人の力がダイレクトに作用するだけで。このオーディションって配信者の実利を図るものであると共に、ファンの資金力を測るものでもあるんだろ? 受かったキャラも多分ずっとSHOWROOMに縛られるんだろうし、運営にとっては投げられる銭の額が一番大事なんだろうしさ。別にそれ自体は悪くはねーよ。ただ配信者にも還元しろと言いたいだけで。
あと、まぁこれはただの愚痴だけど、結局どこまで運営の掌の上だったのか分かんねーのが癪だなぁ。林5様がSHOWROOMにおける過去の出来レースやら「自分が運営の回し者である可能性」について語ってたらしいけど、本当疑い出したらキリがねーんだよなぁ。そもそもそうやってファンを疑心暗鬼にさせたいだけの気もするけど。でも、林5様が運営側だった方がしっくり来る気もするんだよなぁ……。初めてタワー投げ出し視聴者が実は運営側のサクラだったとか、そんな事考え始めたら……あぁ……
林5様みてーなバグキャラが堂々と大手を振って活動出来ているのも、もなかNo.6の所に運営disの許可を与える電話が来たらしい事も、そもそもしらすがこのオーディションの一次審査に受かった事も(本人曰くあんまりちゃんと受け答え出来なかったらしいし、単純に12人の魂にバリエーションを持たせるために採用したんじゃねーかと私は思ってるが)。もしかしたら運営disの風潮自体が仕組まれたものだったのかも知れねーし、疑い出したらマジでキリがねーわ。あー、クソ、もどかしい……。
ただ、運営自体がこのオーディション自体をコンテンツとして盛り上げようとしていた事自体は確かだと思う。このオーディションがバーチャル蠱毒としてバズったのは、たぶん必然だろう。まぁ真相がどうにせよ、楽しかったからいいけどさ!!
と、ここまでグチグチ書いてきたけど、結局私が言いたいのは「みんな、ありがとう。楽しかったな!」の一言だけだ。このイベントと出会えて本当に良かったよ。結果はまぁ残念だったけどさ、しらすはまだの残ってる訳だし、このイベントを企画してくれた運営にはちゃんと感謝しなくちゃな。それでもdisは止めないけど、それも愛だと思ってくれ(笑)
本戦は現在進行形で続いてるし、私がよく見てたユイーンも今なお勝ち残るために戦いを続けている筈だ。「頑張れ」とは言わない。そのままこのイベントをエンジョイし続けてな。
以上!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!