エピクロスの楽園

折角の人生、楽しく生きようぜ??

MtFと百合

諸君。私は百合が好きだ。

 

 

あ、百合っていうのは要するに女同士の恋愛を描いたものの事なんだけどね?? 例えば漫画でいうと志村貴子の「青い鳥」とか、最近だとサブロウタの「Citrus」や仲谷鳰の「やがて君になる」辺りが有名だよね~~~。ちな私の一押しは平尾アウリの「推しが武道館言ったら死ぬ」。あの漫画はマジで絵が可愛いし主人公のえりぴよさんが清々しいまでにぶっ飛んでてバリ面白い。彼女が推しの舞奈に対してひっちゃかめっちゃかやらかす様子は、オタクの私としては「あ~~~、分かる~~~~~!!」となる瞬間が結構あんの。それに、舞奈ちゃんって話の展開こそ進んでもめっっっちゃウブなんよね。他のメンバーが人気や他のアイドルとの関係にやきもきしてても、舞奈ちゃんだけはずっと変わらないってゆーか。単純に勝手が分からずあわあわしてるだけの気もするけど、その様子が他のメンバーと対比されて際立ってる。えりぴよさんも全くブレる気配がないし、シリアスな方向に向かいつつあるストーリーの中でも、この二人の関係は変わらないだろうなぁっていう安心感??

 

 

なんてつらつら書いてても仕方ないので、先ずは読め。いいから読め。これがリンクだ。さあ買いたまえ。

 

 

推しが武道館いってくれたら死ぬ(1) (RYU COMICS)

推しが武道館いってくれたら死ぬ(1) (RYU COMICS)

 

 

 

 

……はい。てわけで、今回の話題は百合であります。私がめっちゃ好きな話題故テンション終始高めだけど堪忍な。

 

 

で。

 

 

私って何回も言ってるようにトランスジェンダーなんだけどさ。みんなはトランスが百合好きっておかしいと思う?? 「え、男が好きなんじゃないの」って思っちゃう?? 白状するけど、私も最初はそう思ってた。だから私って相当な変わり者なんだろうなって思ってたんだけど、段々とトランスで百合好きって人は結構いるんだって事に気付き始めたの。別に百合好き以外にも、MtFビアンとか、或いはオートガイネフィリア(女性になり切る事で性的に興奮するタイプの男性)とか、「男好きなオカマ」のステレオタイプに当てはまらない人間も結構居たんよね。それが、分かって、結局私も今まで偏見に囚われてただけなんだなーって。

 

 

トランスジェンダーなんて一括りに言っても、中身は私も把握し切れないくらい多様だった。「トランス=性同一性障害」みたいなイメージが一般的にはありそうだけど、今やそっちの方が少数派じゃないかなぁ。寧ろオートガイネフィリアとか、或いは男性性から離れたい一心でトランスに踏み切った人間とかの方が多い気がする。データがある訳じゃないから正確性には欠けるけど。

 

 

私の場合、何で女性ホルモンなんてものを摂り始めたのかっていうと、そこに大きく関係してくるのが「百合」という概念なのだった。

 

 

私が百合というジャンルに触れたのは、中学卒業後のことだ。買ってもらったスマホを通じて飛び込んできた数多の情報に染め上げられた結果身についた、私の数多の性癖の一つだった。アイデンティティを木っ端微塵に破壊された私は2~3年くらい迷走した後、漸く自分という存在をある程度の枠内に収める事ができるようになっていた。百合は、そんな私が保有していた趣味の中でも、最も大きなウェイトを占めていたジャンルの一つとなったのだ。

 

 

じゃあ、何で百合というジャンルがこんなにも私にジャストフィットしたのか。

 

 

先ず挙げられるのが、私が女性同士の関係が醸し出す独特の精神世界的なものに酷く惹きつけられたこと。男性と女性の恋愛ってどうしても「支配ー被支配」みたいな関係が生じる気がするし、男性の性欲って即物的で野蛮な感じがして受け入れなくてさぁ。まぁ当時の私はヘテロでも純愛モノは好きで、一時期ケータイ小説にハマってたりしてたんだけど。今でもнаячさんの「もう二度と流れない雲」は名作だと思ってる。

 

 

次に、女子特有の距離の近さから醸し出される曖昧さというか、あの儚くて危うげな関係性が挙げられる。女子の場合、友情と愛情の境界が曖昧だってことは良く言われるよね。友情から発展する愛情とか、恋まではいかなくとも「この子は私のものだ!!」みたいな独占欲とか。だから日常の中での何気ない仕草を見ても、そこに愛情の片鱗を見つけて悶えたりする。例えば、泊まり込みで勉強会やってたけど途中で寝落ちて机の上に突っ伏しちゃった子に、仕方ないなぁって顔しながらタオルケットをかけてあげる場面とか。もう堪らない。その場面を絵画にして礼拝してもいいくらいだ。

 

 

男同士じゃ決してこうはいかない。らしい。らしいというのは、私そこら辺の感覚は女子に近いから男子の感覚がよく分からないんだよね。私自身は友達にバリバリ独占欲抱くしすーぐ依存しちゃうからなぁ。でも男子ってよくホモネタで盛り上がってるよね。とある合宿に参加した時なんて、「男同士でも誰なら抱けるか」って話題で大変盛り上がったよ。何でだろうな、あれ……いざ自分が対象になったら嫌がる癖に……

 

 

あとは「かわいい×かわいい=かわいいの二乗!!」とか、「女性の方が繊細な描写が可能になりそう」みたいな細かい理由はたくさん挙げられそうだけど、一番大きな理由は私のミサンドリー……つまり「男性嫌悪」なのだと思う。

 

 

百合好きの中には様々な種類の人間が存在しているけど、その中で、ほぼ存在していないであろう類の人間がいる。それは、強者男性だ。自分にコンプレックスを持っていないのに百合にハマる人間は男性に限って言えば皆無だと思う。何故なら彼らにとっては自分こそが至高なのだから。自らが介在する余地のない百合など、彼らは認めはしないだろう。寧ろ百合というジャンルを執拗に貶しさえするかも知れない。

 

 

強者男性に虐げられる立場になった弱者男性の女性に対する立場は、大きく二つに分けられると思う。一つは、より弱い立場にある(と彼らが勝手に思い込んでいる)女性を虐げる事で自分の立場を相対的に上昇させようとするタイプの人間。男性の権利ガーとか叫んでる連中って大抵コレだと思うし、幻想と理想のたっぷり詰まった萌えキャラにブヒってるオタクもこの類。また、百合と分類される事のある漫画の中でも、萌え4コマにハマる男性も多分こっちに含まれると思う。

 

 

そしてもう一つは、男性という存在(或いは男性としての自分)に絶望して、女性に対して憧れを持ち始める人間。要するに、女性をやたらと神格化し始めるタイプがコレ。他には、オートガイネフィリアも一部はそうなのかな? 私にはその人たちの気持ちはよく分かんないんだけど。

 

 

私はまさに後者のタイプで、私=男性が女性という神聖な存在を穢す事を極度に恐れていた。中学時代の私は硬派な鈍感少年を気取っていて、恋愛とはかなり距離を置いてたなぁ。加えてエロしか頭にない野猿みたいな同級生の男子を密かに嫌悪していて、硬派に振る舞う事は彼らを躱す上で結構便利だったけど、その結果私は「将来結婚しなさそうな人ランキング」の生徒の部と先生の部で二冠を達成し……ってまぁ、この話はどうでもいいんだけど。

 

 

 

私は男性としての自分を死ぬ程嫌悪していたし、男性性を剥き出しにするオス猿共も猛烈に嫌ってた。だからこそ女性の社会というものにとても憧れていたし、好きな女の子が出来ても、その子と恋人になりたいというより、彼女とただずっと一緒にいたいとばかり願っていた。側にいられるだけで充分過ぎだ。でも、私は……

 

 

単純に私がヘタレだったのもあるけど、彼女に近付く事は私にとっては彼女を穢すことと同義だったから。結局私の初恋は何の進展もないまま、卒業と共に幕を閉じた。

 

 

そして、スマホを通じて初めてトランスという概念を知って、私の女性に対する憧れは爆発した。ずっと混ざりたかった、女性の社会。もしかしたら私も彼女たちの仲間になれるんじゃないかって。醜い男としての殻を脱ぎ捨てて、私自身女になって。

 

 

勿論、それが都合の良い妄想に過ぎない事はすぐに分かった。女性化しようとも私は私が嫌いなままだったし、そもそも今の私は「女性の社会に溶け込みたい」とか欠片も思ってねーからな。女性として社会を送るのは凄く辛そうで、実際男性として生活してゆく方がよっぽど楽だ。まぁそう思えるようになったのは、「自分はもう男ではない」とハッキリ言い切れるようになったからだけど。男というセックスを捨て去ったからこそ、私は男というジェンダーを見に纏えるようになったのだ。この感覚は、なかなか分かって貰えないと思うけど。

 

 

ちなみに、今の私は専ら綺麗な女装子やニューハーフに夢中である。そろそろどっかのニューハーフバーとに行って、お姉様たちにちやほやされたい……

 

 

ちやほや、されたい……

 

 

……とまぁ、こんな感じで、今の私の趣味や人格は殆どが男性性の否定が発端になっている。「女になりたい」というより、「男である事が嫌だし、そんな自分に価値なんてない」と思っていたから私はトランスという道を歩むと決めた。まぁ、ちょっとは自分の身体で人体実験的なノリもあったけど。自分がどこまで変われるか試したかったし。

 

 

自分の選択が正しかったかは分からないし、今も依然として私はメンヘラのままだけど、でも何もしないよりかはマシな自分になったんじゃないかなーとは思っている。

 

 

他の人間がトランスに踏み切った理由は様々だろうし聞かねーと分かんねーだろうけど、でも私に共感してくれる人は結構いるんじゃないかなーと思っている。そういえば昔、「トランス以前は性別欄に男と書く事が酷く苦痛だったけど、今はあんまり気にならなくなった」なんて言ってる人もいたなぁ。あのツイートにはかなり共感した。まさにそれなんだよ、私の感覚って。

 

 

オートガイネフィリアのトランスは、私はちょっと共感出来ないなぁ。「女装してる自分が好きで、んでもっともっと可愛くなりたくなって女性ホルモンに手を伸ばす」なんてパターンはよく分かるけど、「女装した自分の姿に興奮してオナる」なんて初めて聞いた時はマジで「はぁ?」って感じだった。更には彼女と女装してセックスするなんていう人間も存在するらしい。彼らの興奮って何に由来してんのかなぁ。オートガイネフィリアのブログを読んでそこを調べたいなぁとは思ってるけど、ちょっと億劫でまだ手は出せていない。

 

 

前回と比べてかなり文章量は少ないけど、今回はここらへんで記事を終わらせます。お読み下さった方、本当にありがとうございました。

 

 

皆さまの人生が、少しでも楽しいものにならんことを。

 

 

では、また。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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